東広島市の空き家の現状
東広島市の空き家問題は、数字で見ると想像以上に深刻です。
- 2018年:空き家 約2,960戸
- 2024年:空き家 約3,760戸
→ 6年間で約800戸増加(約27%増)
空き家率は
- 16.3%(2024年)
- 全国平均:13.6%
つまり、約6軒に1軒が空き家という状況です。
東広島市は人口増加都市です。それでも空き家が増えているという事実が、この問題の複雑さを物語っています。
特に問題なのは、
- 空き家の42.7%が「その他住宅」(売却・賃貸予定なし)
- 空き家バンク登録率はわずか0.4%
つまり、ほとんどが市場に出ていない空き家です。
空き家が抱える課題
1. 管理不全空家による増税リスク
2024年の法改正により、「管理不全空家」という区分が新設されました。
以下のような状態でも指導対象になります。
- 外壁のひび割れ
- 窓の破損
- 草木の繁茂
- 屋根材の剥落
改善しなければ、住宅用地特例が解除され、
固定資産税が最大6倍になる可能性があります。
放置は、コスト増に直結します。
2. 隣地トラブルと民法改正
2023年の民法改正で、越境枝問題のルールが変わりました。
所有者が対応しなければ、
隣人が枝を切ることが可能になり、
その費用は所有者に請求されます。
遠方所有の場合、知らないうちにトラブルが発生する可能性があります。
3. 倒壊・火災による損害賠償
老朽化した建物が倒壊し第三者に怪我をさせた場合、
数千万円規模の損害賠償事例もあります。
空き家は
「資産」ではなく「責任」になり得ます。
空き家対策の具体策
1. 行政による支援制度
東広島市では以下の制度があります。
■ 解体補助金
- 補助率:1/3
- 上限:50万円
- 不良度100点以上
※契約前申請が必須
■ 改修補助金
- 補助率:1/3
- 上限:50万円(地域加算あり)
ただし、補助金は万能ではありません。
解体費用が200万〜300万円かかるケースも多く、自己負担は残ります。
2. 地域コミュニティとの連携
東広島市では
- 空き家バンク制度
- 学生による町家プロジェクト
- 移住促進施策
など、活用型の取り組みも進んでいます。
ただし、これは主に立地条件の良い物件に限られます。
郊外や山間部では流動性が低いのが現実です。
空き家の購入・売却という選択肢
空き家をどうするかは、主に3つの選択肢があります。
① 仲介による売却
メリット
- 市場価格で売れる可能性
デメリット
- 売却まで数ヶ月〜数年
- 契約不適合責任が残る
- 仲介手数料が必要
② 不動産会社による買取
メリット
- 数日〜1ヶ月で現金化
- 契約不適合責任なし
- 仲介手数料不要
- 現状のままで引渡可能
デメリット
- 仲介価格より低くなる(市場の7〜9割)
老朽空き家や遠方所有の場合、
リスク回避という意味では合理的選択です。
③ 活用(賃貸・事業)
メリット
- 家賃収入
- 地域貢献
デメリット
- 初期投資
- 空室リスク
- 継続管理
特に郊外では需要を慎重に見極める必要があります。
東広島市で重要なのは「地域差」
西条・八本松・高屋と
豊栄・福富・河内・安芸津では
市場の流動性がまったく違います。
都市部の理屈を郊外に当てはめると失敗します。
地域密着の相場理解が不可欠です。
結論:空き家は「判断を止めない」ことが重要
東広島市の空き家率16.3%。
6年間で27%増加。
問題は空き家そのものよりも
市場に出ていないことです。
空き家は時間が経つほど
- 価値は下がり
- 税金リスクは上がり
- 法的責任は重くなる
まずは
- いくらで売れるのか
- 買取ならいくらか
- 補助金が使えるか
それを知ることが第一歩です。

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