相続した農地がいらない…「耕作放棄地」のリスクと売却以外の選択肢

田 売却

はじめに

「実家の田んぼを相続したが、自分はサラリーマンで農業はできない」 「遠方にあるため管理ができず、草が生え放題になっている」

 現在、こうした「望まない農地相続」に悩む人が急増しています。総務省の調査によると、誰の土地かわからない「所有者不明土地」は九州の面積に匹敵するとも言われています。 「売れないから」といって放置するのは非常に危険です。本記事では、耕作放棄地のリスクと、売却以外の手放し方・活かし方について解説します。

1. 放置は危険!「耕作放棄地」の3つのリスク

「誰も使わないからそのままにしておこう」と放置すると、法的な責任やペナルティが発生する可能性があります。

  • ① 固定資産税が1.8倍になる可能性 通常、農地の固定資産税は低く抑えられていますが、耕作放棄地となり、市町村から「遊休農地」と認定され勧告を受けると、税金の軽減措置が解除され、税額が約1.8倍に跳ね上がる場合があります。
  • ② 近隣トラブルと損害賠償 管理されていない農地は、雑草の繁茂や害虫の発生源となります。「隣の畑に虫が飛んできた」「草が道路にはみ出して事故が起きた」といった場合、所有者としての管理責任(損害賠償)を問われるリスクがあります。
  • ③ 資産価値のさらなる下落 一度荒れてしまった農地を再び耕作可能にするには、多額の費用と労力(再生コスト)がかかります。つまり、放置すればするほど「誰も欲しがらない土地」になってしまいます。売却時に、長年放置したため、木が生えて伐採に多額の費用がかかり、売却価格に影響もでてきます。

2. 売れない場合の選択肢①「貸す(農地バンク)」

「売りたいけど買い手がいない」場合、まずは「貸す」ことを検討しましょう。 おすすめは、各都道府県にある「農地中間管理機構(通称:農地バンク)」です。

  • 仕組み: 公的機関があなたから農地を借り受け、地域の担い手農家へ転貸します。
  • メリット:
    • 賃料が入ってくる(少額ですが)。
    • 管理の手間から解放される。
    • 公的機関が間に入るため、契約トラブルの心配が少ない。

※ただし、条件の悪い農地(鳥獣被害が酷い、機械が入らない等)は、農地バンクでも引き受け手が現れないことがあります。

3. 売れない場合の選択肢②「国に返す(国庫帰属制度)」

令和5年(2023年)4月からスタートした新制度、「相続土地国庫帰属制度」をご存じでしょうか? 相続したものの「いらない」土地を、国が引き取ってくれる制度です。

  • 対象: 相続や遺贈によって取得した土地。
  • 条件: 建物がないこと、土壌汚染がないこと、境界が明らかなことなど。
  • 費用: 無料ではありません。審査手数料と、10年分の土地管理費相当額(負担金:農地の場合、原則20万円〜)を納める必要があります。

「お金を払ってでも手放したい」という場合の最終手段として有効です。

まとめ

農地は「持っているだけでリスク」になる時代が来ています。 「いつか売れるだろう」と先送りにせず、まずは「農地バンクに登録する」か、売却が難しいなら「国庫帰属制度の審査を受ける」か、早めのアクションを起こしましょう。 放置して次世代に「負動産」を残さないことが、今の所有者にできる最大の責任です。

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